バストについて
年齢とともなぜ、バストは垂れるのですか?
女性の乳房は美しさのためだけに存在しているのではありません。
本来は子供に乳をふくませるためのもの。生物学的にいえば、大や猫など他の哺乳動物と同じように授乳期だけふくらんでいればよいのですが、
成長するにしたがって大きくなる人間の乳房は、例外的な存在なのです。
では、なぜ人間の乳房が、成長ともに変わっていくのか、そのしくみを順を追ってみてみることにしましょう。
幼児期……0歳~小学校3、4年
男女の体つきに差はなく、どちらも平らな胸に小さな乳首がちょこんとついているだけ。まだ乳房と呼べるような状態ではありません。
思春期……小学校3、4年~中学校3年生
男子も女子も大人になる準備が始まる時期です。
男女ともに性ホルモンの分泌が始まり、第二次性徴が現れてきます。男子は声変わりをしたり、陰毛やわき毛、ヒゲなどが生えてきます。女子は
乳房がふくらみ始め、初潮を迎えます。
成長期……高校生~30代前半
男女ともに高校生くらいでほぼ大人の身体になります。
性器の機能も十分に発達し、女性は妊娠・出産をすることが可能になります。乳房は成熟し、乳首も大きくなり、子供が生まれた時には乳をふく ませことができるような状態になっています。
妊娠をすると乳首はさらに大きくなり、色も黒ずんできます。乳房の中にある乳腺は枝分かれをして発達し、授乳の役割を終えるとしばんでしまいます。その後、再び妊娠するとふくらみ、授乳を終えるとしばむというように妊娠のたびに同様のことが繰り返しおこなわれます。
更年期……40代~50代
女性は妊娠する可能性が少なくなり、乳房は授乳という本来の役割を果たす必要がなくなります。そのため乳房はしだいにしぼんで垂れてきます。
女性ホルモンも分泌されなくなり、生理が止まり、更年期障害といわれるさまざまな症状が現れるようになります。
乳房は女性ホルモンの分泌により発達するものですから、分泌されなくなれと、乳腺や皮下脂肪は退化してしまうのです。
このように「バストの一生」は、女性の生涯と深くかかわりあっていることがおわかりいただけるでしょうか。
特に問題となるのは、ちょうど更年期を迎える前後です。というのは、乳房が垂れたりしばんでくると、老いを実感したり、「女性としての魅力がなくなってしまった」と感じて落ち込んでしまう女性が少なくないからなのです。
今、女性の平均寿命は90歳近くなりました。それに伴い、より充実した人生を過ごしたいと、更年期前後にバストアップを行う女性が急増しています。事実、私のクリニックにもバストアップ手術を受けたことで40、50代以上の方から「生きていることが楽しくなった」という感謝のお言葉をたくさんいただいています。そのような意味でも、バストアップ手術とは、単に胸を大きくすればよいというものではなく、女性の精神的な面も含めたきめ細かいカウンセリングと対応が必要なデリケートな手術だということがいえるでしょう。
日本人のバストが欧米化してきている?
そうなんです。乳房が小さいことが一番の悩みだったはずの日本人のバストが大きくなり欧米化してきているといえそうなのです。
ブラジャーのサイズを示す、ブラジャーに初めてA、B、C、D…というカップサイズをつくったのは、どこの会社かご存知ですか?
実は「ハリーポッター」の映画でもおなじみ、アメリカのワーナー・ブという会社で、1935年のことでした。これにより、ブラジャーの補正機能はぐんと高まり、世界各国でこの表示方法が採用されるようになりました。
このカップ表示は、買う側にとつても、またバストに関する統計をとるにもたいへん便利なものです。
というのも、一番売れている商品がどれであるかを調べれば、その国の女性のバストの平均サイズがわかるからです。
その調査の結果、バストの大きい女性が多いのはデンマーク、イタリア、そしてドイツであることがわかりました。これらの国では、半数以上の方がC、Dカップの方が半数以上をしめているそうで、Aカップの方はわずか数パーセントだそうです。
一方、日本人の場合は、現在Bカップを買う人がもっとも多いといわれています。とはいえ、10年前にはAカップを購入する人が大半だつたといいますから、ここ10年間で日本人女性のバストはぐっと成長したことになりますね。
現在の10代、20代の若い女性たちを見ていると、C、Dカップという方も決して珍しくありません。事実、若い女性に人気の東京のあるデパートの下着売り場では、従来の主流だったB70を抜いて、C70の売上げがトップになったという話も聞きます。
近い将来、日本女性の平均バストも欧米並みになっているかもしれませんね。
日本人に多いバストの悩みとは?
一般的には、日本人のバストは、欧米人に比べ崩れやすい特徴があるとお話しました。
ところが、実際に当院にご相談にいらっしゃる患者さんの悩みはさまざまです。ご参考までに皆さんの悩みについてお話しましょう。この悩みは大きく分けると次の5つに分けられます。
乳房が小さい
もっとも多い悩みです。原因はさまざまですが、一般的に乳腺の形成が不十分で、脂肪組織が未発達であるケースが多いようです。
乳房が垂れている
に次いで多い悩みで相談者のほとんどの方が中年以上の女性です。ところが最近は無理なダイエットなどによって、若い女性にも増えています。
乳房に張りがなくなった
乳腺が萎縮したために起こる現象です。外見上の大きさはさほど変わらないものの、形や感触に変化を感じるというもので、出産後の女性に多く
見られます。
乳頭が大きい、乳頭がない、乳頭が陥没している
生まれつきのもので、妊娠や授乳には差しつかえはありませんが、外見的に違和感を感じるという方が多いようです。
乳房が大きすぎる
日本人には非常に少ないケースですが、欧米では少なくない悩みです。乳房が小さい人にしてみるとぜいたくな悩みと思われそうですが、特にプ
ロのバレリーナやダンサー、体操などのスポーツ競技をしている方に多いといいます。
日本人特有のバストの特徴とは
同じ身長と体重の人でも太ってみえる人もいれば、やせてみえる人もいるように、バストサイズがほとんど同じだったとしても、体型や体質、年齢などにより、バストの”質”が変わってきます。
というのも、バストは主に乳腺と皮下脂肪で成り立っていますが、その構成比率によって固さや弾力や張りに差が生じるからです。
バストは乳腺質と脂肪質の2つのタイプに大別できます。 乳腺が多い乳腺質のバストは、乳腺葉が乳房の中にたくさんつまっているため、固くて動きにくい特徴があります。このタイプは、たとえバストが大きくても垂れ下がりにくく、形もそれほど変わらないようです。 ところが、皮下脂肪の多い脂肪質のバストの場合は、柔らかいために形も崩れやすく、仰向けに寝ると乳房が流れてぺちやんこになってしまいがちなのです。形的にも底面積が広く、平坦な印象になってしまうのです。
そして、欧米人では比較的乳腺質の人が多いのに対し、日本人では脂肪質のバストが多いといわれています。
つまり、これは残念ながら日本人女性は、年齢や授乳経験とともにバストが崩れやすいことを意味しています。ですので、日頃からブラジャーのつけ方に気をつけたり、バストの形を美しく保つためのエクササイズをするなどして十分にケアする必要があるのです。
バストはどのような構造になっているのか?
バストの大きさや形といった外観について見たところで、今度はバストの内側に注目してみることにしましょう。
皆さんすでにご承知のとおり、バストの豊かさや形にはかなり個人差があります。これは、通常、乳腺の発達ぐあいと皮下脂肪の量によって決まります。ほかにも女性ホルモンの分泌量によっても、乳房の張りや弾力に大きな違いが出てきます。
続いて、バストの構造に注目してみましょう。バスト(乳房)を構成しているのは、皮下脂肪、乳腺、皮膚、乳頭、そして乳輪です。
肋骨の上に胸筋があり、その上に胸骨膜とクーパーじん帯、皮下脂肪が乗っています。
乳腺とは、乳汁を分泌する器官のことで、さわると筋のようにコリコリとした感触があります。
乳頭のまわりは乳輪といい、ここは授乳時に赤ちゃんの□があたる部分です。乳腺は乳頭につながっていて、出産をすると乳腺から乳管を通じて母乳が出る仕組みになっています。
一般的に乳房の容積は、片方が180~230平方センチあり、左右ではその倍になります。これは350ml入りの缶ジュースでいうと2、3本分の容積 にあたります。バストの大きい女性タレントが「胸が大きすぎて肩がこる」といっていることがありますが、この数値から考えるとあながち冗談ではないといえそうですね。
バストの大きさや形にはどのようなタイプがありますか?
バストは大きく分けると次の6つのタイプがあります。
バストの大きさや形は、一人一人の顔やプロポーションが違うように千差万別なのです。
円盤型(皿型)
お皿をふせたような形で、薄い 盛り上がりがあるもの。実は日本人にもっとも多くみられる平均的な形。
半球型(おわん型)
球をちょうど半分に割ったような形で、丸くこんもりとしている。理想的な美しいバストといわれるものには、この形が多い。
ピラミッド型
半球型と円錐型を合わせたような形。ボリュームがあり、前に大きく突き出している。グラビアでよく見られるタイプで円錐型と同様セクシーな雰囲気がある。ただし張りがなくなると垂れ下がりやすい。
下垂型(垂れ型)
乳房全体が垂れ下がっている。
扁平型
盛り上がりの少ない未成熟型。
円錐型
半球型ほどこんもりとはしていないが、乳首が前方に突き出している。セクシーで大人っぽい雰囲気がある。
日本人女性の場合、半球型か円盤型のバストがほとんどです。
なかでも、当院に御相談にいらっしゃる患者さんは、円錐型か扁平型、あるいは下垂型のバストの方が多くなっています。さらに、最近の傾向としては、中高年で下垂型のバストの方が増えています。
一方、欧米女性には円錐型やピラミッド型。黒人女性には下垂型が数多くみられます。
理想のバストとはどんな形?
更衣室やプール、温泉で、ついつい気になってしまうのが他人のバスト。ちらっと横目で見ては、「いいなあ……」とうらやましく思ってはいませんか?
女性であっても、やっぱり憧れるのは、ふっくらと盛り上がってツンと上を向いた形。女優やタレントさんでも何かと「巨乳」や「美乳」がもてはやされている時代です。出るところが出ているメリハリボディの女性は男性だけではなく、女性の視線をも集めるものです。
では、多くの人の注目を集める「理想のバスト」とは、いったいどういうものなのでしょうか。
そこで、まずは、美容外科の観点から見た「理想のバスト」の条件をあげてみることにしましょう。
- 乳房の位置が第三肋骨と第六肋骨の間にあり、胸骨から乳首に向かって 円錐形にふくらんでいること。
- 乳房の位置が第四肋骨と第五肋骨の間にあり、左右の乳首の間隔が顔の幅とほぼ同じであること。
- 左右の乳首の中心点からアゴのまでの長さが、アゴから頭頂までの長さとほぼ等しく、左右の乳首と鎖骨の中心を結ぶ線がほぼ正三角形であること。
- 乳房は8~10mの厚みがあり、やや上向きであるとともに外向きであること。
- バストサイズとヒップサイズがほぼ同じであること。
これら5つの条件の中でも、特に、左右の乳首と鎖骨の中心が正しい三角形になっているともっとも美しく見えるようです。
また、バストサイズとヒップサイズのサイズについては、ヒップよりもバストの方が10%ほど小さめのほうが、全身のバランスでみた場合バランスよく見えるという説もあります。
さらに、身長の50~55%のバストサイズ、バストサイズの70%のウエストサイズが理想的ともいわれています。これは身長が160㎝の人の場合、
バストが80~88㎝のバストで56~61㎝のバストが理想的な数値ということになりますね。